一般社団法人日本家畜人工授精師協会

 戦後、わが国の家畜人工授精が急速な発展をとげた背景に、昭和初期から畜産試験場が取り組んだ基礎研究の成果と、その技術を家畜衛生の分野で、組織的に応用した行政上の措置をみることができます。

 昭和22年、国は畜産振興5ヶ年計画の中で、家畜人工授精の応用計画を示し、昭和25年には家畜人工授精師の免許制と家畜人工授精所の許可制など、家畜人工授精に関する規定を加えた家畜改良増殖法を制定しました。

 家畜改良増殖を促進するため、家畜人工授精の組織整備が矢継ぎ早に実施された結果、全国の家畜人工授精組織が極めて短期間に整備され、昭和30年には、既に今日の基礎が確立されていました。

 この様な中で、当協会は昭和31年から任意の全国団体として発足し、家畜人工授精技術者の親睦と技術向上を図り、会員の連携強化の醸成に努め、昭和41年に、道府県の家畜人工授精師協会を会員とする社団法人に改組しました。

 以来、当協会は一貫して家畜人工授精関連技術の向上と家畜改良増殖の促進に努め、畜産振興に寄与することを協会の使命とし、平成24年には、新公益法人制度のもとで、一般社団法人への移行が完了し、現在に至っております。

 わが国の畜産は、国民生活の向上に伴う畜産物の需要増大に支えられ、飼養規模の拡大、飼養管理の改善と相まって、家畜繁殖に関わる学術の急速な進歩が、家畜改良増殖法の一部を改正しつつ、適切な運用を通じて振興が図られました。それらは、昭和36年の凍結精液の実用化に対応した改正を始め、昭和58年の受精卵移植技術に関する改正、平成4年の体外受精卵移植技術に関する改正に代表されます。

 当協会としては、家畜人工授精講習会テキスト(家畜人工授精編、家畜受精卵移植編、家畜体外受精卵移植編)の刊行や関連講習会・研修会の開催、優良技術発表全国大会の開催、技術情報の提供及び啓蒙を目的とした機関誌「家畜人工授精」を発行し、時代の要請に応えております。

 現在、当協会は45道府県の家畜人工授精師協会を会員とし、当協会の趣旨に賛同する20の賛助会員を擁しております。畜産情勢の激しく変化するなかで、家畜人工授精技術者の果たすべき役割が益々重要となっていることから、新技術の導入と普及を図るとともに、会員の連携強化と家畜改良増殖関連事業の推進を積極的に実施しております。
 

  

一般社団法人 日本家畜人工授精師協会(AIAJ) 東京都江東区冬木11番17号 イシマビル17階 TEL 03(5621)2070