受精卵移植技術者活動実態調査成績報告書(平成12年度)から (3)

7. あなたの地域における受精卵移植の普及について、将来見通し(5年程度)について
1) 乳用牛受精卵の普及見通し(利用農家の戸数・頭数の増減について)
  731名の回答があり、「戸数・頭数共に現状維持する」が285名(39.0%)、「戸数・頭数共に増加する」202名(27.6%)が多い。
2) 乳用牛受精卵の利用について、今後最も増えると思われるものは何と考えるか
  738名の回答があり、「牛群改良(自家保留)への利用」が594名(80.5%)で他の3項目は10%以下である。
3) 肉用牛(和牛)受精卵の普及見通し(利用農家の増減)について
  800名の回答であるが、「戸数・頭数共に増加する」が309名(38.6%)、「戸数・頭数共に現状維持する」が255名(31.9%)、「戸数は減少するが、頭数は増加する」が140名(17.5%)である。
4) 肉用牛(和牛)受精卵移植の利用について、今後増えると思われるものは何と考えるか
  790名の回答であるが、「市場または家畜商への素牛販売」が378名(47.8%)で約半数を占めている。「牛群改良(自家保留)への利用」が230名(29.1%)等が多い。「種雄牛づくり」が最も少なく14県25名(3.2%)と最も少ない。
5) 今後、一層受精卵移植が一般農家へ普及定着していくための条件として、最優先すべき課題は
  819名の回答であるが、「受胎率の向上」が428名(52.3%)で半数を占め、「希望する受精卵の確保」、「受精卵価格・技術料のコスト低減」等が141名、139名で何れも17%台の回答者であった。
8. 農家からの質問・あなたの関心について
1) 受精卵移植に関し農家からよく尋ねられる質問について
  「移植する受精卵の血統等」など7項目についての設問であるが、「移植する受精卵の血統等」が最も多く358名(46.8%)で半数近い。「移植技術料・受精卵の価格等」が160名(20.9%)、「受卵牛の飼養管理」等の4項目は80名以下の回答者である。
図8.受精卵移植に関し農家からよく尋ねられる質問について
2) 受精卵移植に関連した畜産新技術で、最も関心のある事項について
  「雌雄判別技術」など4項目について758名の回答があり、「雌雄判別技術」が752名で75.5%を占め、「核移植技術(クローン技術)」150名(19.8%)の順になっている。
3) あなたの地域の畜産農家において、現在最も話題になっていることについて
  「畜産物価格の低迷」など5項目であるが、781名の回答があり、「環境問題への対応」が328名(42.0%)、「畜産物価格の低迷」322名(41.2%)の2項目で83.2%を占めている。「飼料・資材の価格高騰」が1.7%と最も少ない。





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